伊吹翼は本当に成長していないと言えるのか
はじめまして
先日ツイッターにてあるブログが界隈において話題になりましたね。
私自身一部理解できる箇所もあったため私見を述べようと思い、拡散を手伝ってしまった身です。
記事の内容は大雑把に簡略化するとミリシタにおいて、伊吹翼というアイドルは成長をほとんど描かれておらず、他コンテンツのアイドルに見たかった成長を見せてくれる子がいるためそちらに移るという内容でした。 それ自体に関してはプレイヤーの好みの問題のため、良い悪いではなく仕方のない事だと思います。
では何故私自身もこの様に記事を作っているのかと言いますと、その記事の中でも妙に強調されて広まってしまっている伊吹翼が成長しないという項目、それに異を唱えたいから、そしてこの機会に自分が感じた伊吹翼という存在をまとめておこうと思ったからです。
また、他コンテンツも扱う大手ブログに話題を拾われ"ミリシタというコンテンツはアイドルの成長を描かない"という内容が担当を目印として独り歩きする不安もあります。
先に結論を書かせて頂きますがそんな事はありません。少なくとも担当である伊吹翼に対しては確信を持ってそう言えます。 そのことを私が知りえている伊吹翼の成長をもって示させていただきたいと思いますのでそれを見た上で判断していただけると幸いです。
そもそも何故伊吹翼は成長しないという話になっているのかですが、それは成長自体を描くのに時間がかかってしまったからです。 件のブログにも触れられていますがMTGにて見所が少ない役割でコミュにおいても成長が描かれず、他の大多数のアイドルより成長が実感できなかった事は事実です。ただMTGシリーズからこれまで全く成長が描かれていないというわけではありません。MTG期間においてもサンリズム・オーケストラ♪のイベントコミュ等にて少しずつではありますが彼女の成長は見られました。
また、今年1月頃、ミリシタにおいて伊吹翼のメインコミュ2週目、あの光のようにが公開されました。 内容は後述しますが伊吹翼の成長が描かれたそのコミュは多くの翼Pが待ち望み、納得したもので自分私の周りを見ても、これは望んでいたものと違うと否定を投げかける人は見えないほどでした。 このコミュについてはあの記事でも触れられており、好感的に捉えてはいます。
～初期の伊吹翼～
それでは伊吹翼ちゃんの成長について説明する前に前提として初期の彼女がどんなアイドルか触れておきます。
引用：『アイドルマスター ミリオンライブ！ シアターデイズ』
運営・提供：（バンダイナムコエンターテインメント）
自由気ままな彼女は美希ちゃんの様にモテたいからとアイドルを始めます。しかし才能はあるもののレッスンはサボってばかり、初のセンター公演のレッスンすらサボろうとしてしまいます。
これには彼女なりの考えがありました。 それは持ち前の才能ゆえにレッスンをせずとも大抵のことはできてしまい、レッスンの意義を理解していなかったからです。 彼女にとってレッスンとは同じことの繰り返しで何故やる必要があるのかわからない、そんな事をするより楽しい事がしたい、それが彼女のサボりとなっていたのです。
引用：「アイドルマスター ミリオンライブ！」
運営・提供：GREE、バンダイナムコエンターテインメント
この事はGREE版でもPが気付いています。
レッスンせずとも彼女にとっては十分なパフォーマンスをこなすことができる。もちろんメンバーとの連携などレッスンが必要なものはありますがおそらく彼女にとっては他のみんなもそれができて当たり前の常識だと思っていたのでしょう。そのあたりが反映された初期メールの内容で新規の方が彼女に嫌悪を抱くことがあり、悲しかった記憶があります。
ひなたに翼は何でも上手にできるため何でも楽しくなるという事を言ってもらっています。しかし、できる様になって楽しくなったキャッチボールすらも飽きてしまったと言うあたり、すぐマスターして楽しくなるものの、やがて同じことの繰り返しになって飽きてしまうのだと考えられます。
そこで翼ちゃんにやる気を出させるためにレッスンや仕事のメリットを教えたり、デザートやデートといったご褒美を与える事が主なプロデュースとなっています。
ここまで書くと翼ちゃんに良い印象を持たれないかもしれません。しかし彼女は決して仲間を傷付けようとする子ではありません。それに仲間やファンを喜ばせようと行動するシーンもあり、ちゃんと優しい子なのです。
例えばサンリズム・オーケストラ♪コミュにて翼ちゃんはひなたがダンスは苦手であることを気遣って、翼なりのアドバイスをしています。初期のメールと違い、仲間の苦手を察してアドバイスできるようになったことも翼ちゃんにとって成長の一つだと思います。
～伊吹翼の成長～
ここから伊吹翼ちゃんの成長が特に描かれたメインコミュ2週目、及び深層マーメイドについて触れていきます。
まず伊吹翼の成長を語るうえで、彼女自身の目標である星井美希の存在は欠かせません。
GREE版では序盤は美希ちゃんと呼んでいた翼ちゃんでしたがやがて美希先輩呼びに変わるも理由は特に明かされないといった事があったりしました。
特に意味はない設定の変更かと納得されがちでしたがミリシタにおいても美希ちゃん呼びで始まったため、ひょっとして先輩呼びに変わる瞬間が描かれるのではないかと翼P達は期待していました。
そして翼のメインコミュ2週目が来る前に美希のメインコミュがあり、そこで翼は美希から様々なことを学びます。
メインコミュ 第45話 トクベツな場所
このコミュにて翼はやる気なさそうにしていた美希がレッスンで本気を出したことに驚き、その理由について考えていました。
ちなみにここでの美希にとっての理由はシアターがキラキラできる場所だからとPには明かしています。
このキラキラという単語は美希がたびたび使っていた言葉ですが、これが翼にとっても意味のある言葉になります。
メインコミュ 第65話 あの光のように
このコミュでは伊吹翼ソロ2曲目となるBelieve my change!が実装されました。
GREE版にもギリギリ曲名カードとして実装された経緯はありますがイラストとボイスから翼がPのおかげで何かしらの困難を乗り越え成長したという断片的な情報しかありませんでした。
まだレッスンはつまらないか聞くP
翼ちゃんはイヤでもあるもののなんと楽しいかもと答えます。
翼ちゃんはイヤでもあるもののなんと楽しいかもと答えます。
美希の本気の理由が気になり考えるうちにシアターのメンバーがキラキラしていることに興味を持ちます。
レッスンに意味を見出せなかった翼が仲間の輝きからそれを知ろうとしたのです。
憧れの美希以上の輝きを求めレッスンをサボらなくなった翼
これを成長と言わずしてなんと言うのでしょう。
翼を輝かせるための新曲、Believe my change!
その曲で翼はその場で美希よりもキラキラすることに成功します。
そして...
翼P待望の瞬間でした
美希が翼を己が張り合うに足る存在であることを認めたのです。このシーンを見てようやく翼ちゃんはGREEの頃の経験値に追いついたのだと感じました。
Believe my change!の間奏に”あの光みたいに きっと 私も”というセリフがありました。当時はMachicoさんが考えたセリフでそこまでの意味はなかったのかもしれません。しかし、今はこの”光”はみんなが持つ”キラキラ”であり、伊吹翼がもつ”輝き”として繋がっているのではないかと思います。
～深層マーメイドのイベントコミュ～
以前よりレッスンに意欲を見せておりそのことを響に褒められています。
また、それだけではなく響が持つキラキラに惹かれ、今は美希より響と仲良くしたいとまで。
LTDシリーズは春香と未来、千早と静香の信号機デュオができるなかで翼は一人だけ憧れの美希ではなく響とのデュオでした。翼Pとしてはもちろん響が美希に劣っているような感想では無かったのですが物語として一人だけ信号機で組めなかったことを翼ちゃんが気にしないわけがないと思っていました。
実際D/Zealのイベントコミュで翼は美希とのデュオを希望しています。
しかしCDのドラマパートでは全くそのことには触れず今まで翼はこの組み合わせにどんな心境で臨んだのかわからずじまいでした。
結果として玲音が偶然見つけた可能性の二人になったわけですが、ただ美希とのデュオにこだわらずキラキラを持つ響を尊敬し負けたくないと励み、なんとあの玲音と詩花のデュオに引き分ける程のパフォーマンスを披露するまでになりました。
玲音というのはOFAをプレイした上でソロならアイドルマスター世界観最強のアイドルと思っていたのでこれに匹敵する描写は中々描かないのではと思っていました。もちろん玲音はOFAにて何度か765プロとのフェスに敗北することはありますがそのたびに成長を遂げ、最終的に登場する彼女はソロでは倒せないステータスになっていたはずですし、その状態の彼女と匹敵するのは難しいでしょう。
それでも既にトップアイドルの実力を持った玲音に引き分けるという事は設定的にかなり踏み込んだ描写と言えます。このことから描写面で765の13人の尻に敷かれているというだけでなく、しっかり踏み込んだ成長も描いていると言えます。
～アイル～
件のブログの方はゲッサン版3巻のアイルの様にステージを魅了する様な最強を示す成長が見たかったのだと思われますが、個人的にはあの話は翼の成長というには少し違うと思っています。
確かにあのステージの経験は翼ちゃんの糧になるとは思います。しかし、話の筋道としては翼の可能性を見出したジュリアが逆に翼に合わせることで彼女の才能が解き放たれたというものです。翼の成長物語というよりは彼女がもっている才能の片鱗をみせつけた話であると私は捉えています。
先に示したシアターのアイドルの輝きを知って自身もレッスンに励んだり、ゲッサン版5巻にてステージのセンターではなく後ろからステージを見たいと言ったりするような、物事を知りそれを理解したうえで努力していく事が伊吹翼の成長ではないかと思います。アイルを披露した後に美希がバックダンサーにする条件にコーラスをしっかりできる様になることを付けたのはそれに近い協調性を身に着けて欲しかったとも取れました。
元々才能をもっている翼が真面目にレッスンに取り組み場の作り方を理解すればとてつもない存在になる、これがおおよそGREE版、及びミリシタにおける公式が描こうとしている本筋ではないかと思います。
～伊吹翼の魅力～
先にも書きましたが他コンテンツに望むものが出てきた時に移ってしまうのは仕方ないことだと思いますし、期間的に見れば翼の成長が描かれるのが遅いというのは事実です。
しかしここで述べた成長以外にも伊吹翼というアイドルが合わせ持つ可愛さは他の誰も持てない長所だと思います。
よく恋に恋している子と言われがちですが彼女なりに一途で真剣にPの事を考えていたり、甘えてきたり、気を引こうとして時に大胆に迫ってくる時などは思わず頬が緩みます。本当に可愛らしいですしそちらも無下にせずに目を通してくださるとうれしいです。甘えてくる可愛さと魅了するかっこよさのギャップこそ伊吹翼の本質だと思っています。
～最後に～
拙い文章にも関わらず、ここまで読んでくださりありがとうございました。ミリシタやGREE版のコミュを元に翼ちゃんの成長について考察を書かせていただきましたがあくまで私がかみ砕いたものであり、絶対ではありません。ここは違うと思った箇所があればぜひ指摘や意見をください。
これをきっかけに伊吹翼ちゃんに興味を持ってもらったり、あるいは本当にそうなのかと疑う意味でもコミュを見てくださったり、考察等していただけると幸いです。
